2011年7月8日金曜日

頭と腰の関係

今回は頭のお話をしましょう。

運動に於いて『頭(部)の使い方』は腰と同じくらいに重要です。何しろ体重比の約10%の重さを持つ部位ですから、そのポジショニングが悪ければ身体のバランスが崩れるのは当然の事といえましょう。丁度、首の据わっていない幼児のヨチヨチ歩きを思い出していただければ納得されると思います(あれはあれで、実は驚異的なバランス能力を発揮しているのですが・・・)

そう、頭は常に腰とバランスを取りながら、我々の運動を成立させているのです。それは専門的なものに限らず、私達が日常何気なく行っている動作にも観察することができます。

下の写真では椅子から立ち上がる動作を紹介していますが、各場面で、頭と腰が丁度天秤のような釣り合いを見せているのが判るかと思います。









武道のパフォーマンスで『立ち上がろうとする際に額を軽く押さえられるだけで動けなくなる』というものがありますが(※)これは頭のポジショニングの重要性を雄弁に物語っている事象です(動画参照)

(※)あくまで真っ直ぐに立とうとした場合です。
 胴体をうなぎの様によじれば難なく立つことができます(笑)



動画の中で、『頭と腰がバランスを取ることができるのは、一本の背骨でつながっているから』と説明しましたが、(当たり前の事ですが)実は、ここに動きの本質が隠されているのです。

運動の種目に関わらず、洗練された動きというものは、須らく背骨から生まれたものでなくてはなりません(太極拳の口伝には『拳は背骨で打つ』というものがあります!) それは、激しく踊るブレイクダンスにも、静かで優雅な日本舞踊にも等しく言えることです。ただ、その動きを外に出すか出さないかの違いだけなのです。

そうして、ここからが一番重要な事なのですが、背骨の重要性を認識している種目・流派(もしくは個人)には、必ずといってよい程、腰の他に頭のポジショニングに関する教えが存在するものなのです。

何故なら、繰り返しになりますが、頭と腰は一本の背骨でつながっている故に、頭と腰の使い方によって背骨の潜在力を最大限に引き出すことが出来るからです。

これからは、運動を観察される場合も、ご自分の日常の動作を観察される場合も『頭のポジショニング』を意識的にご覧になってはいかがでしょうか?身体運動の極意が垣間見えるかもしれませんので。

次回は、運動における頭部の使い方を、具体例を交えてご説明したします。どうぞお楽しみに!!

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