2011年12月27日火曜日

大掃除

今日は中井スタジオの大掃除です。

一年間お世話になったスタジオと作業場を
スタッフ総出でピカピカに磨きあげます。









来年もバリバリ仕事が出来ますように!!


・・・それでは

今年一年大変お世話になりました!
来年もよろしくお願いいたします!!


・・・むさくてすいません(笑)

2011年12月26日月曜日

Webアクション教室

以前ご紹介した『Web殺陣教室』のアクション編です。
基本的な技から二人組で演じる簡単な振り付けまでを解説してあります。

但し、Web殺陣教室とは異なり、販売目的では作られておりませんので(塾生の自宅学習用です)教え方がかなり砕けております。崩れているといってもいいでしょう。要するにふざけております(笑)

おやじギャグ満載ですので、もしかしたら見ているうちに具合が悪くなるかもしれません・・・ですが、それに対するご批判は一切受け付けませんのであしからず(笑)

Webアクション教室・上巻

Webアクション教室・中巻

Webアクション教室・下巻

お正月の、暇で仕方がない時などにご覧下されば幸いです。

2011年12月20日火曜日

蹴り技各種_3

昨日に引き続き、今日は後ろ回し蹴りの解説です。

後ろ回し蹴りは大変見栄えがするので、アクションの現場でも好んで使用される技ですが、一口に『後ろ回し蹴り』といってもそのスタイルは千差万別で・・・武道・格闘技の各流派によってそれぞれ独自の蹴り方を有しています。

ここでは、アクションでよく使われる三つのパターンをご紹介しておきました。モーションの素材としてもお使いいただきますように。





・・・・円 広志(まどか ひろし)って知ってる?

2011年12月19日月曜日

蹴り技各種_2

『蹴り技各種』、今回は回し蹴りの巻きです。

回し蹴りはアクションにおいてとてもポピュラーな技ですから、皆さんもよくご存知かと思います。なので、今回はモーション作成の参考にしていただければと思い、『蹴った後にその脚をどこに置くか』などということを解説してみました。

少しでも皆さんのお力になれれば幸いです。




補足
以外と知られていませんが、軸足(立っている足)の『踵が浮くか浮かないか』ということは、回し蹴りを語る上でとても重要なことです。ムエタイやキックボクシングの回し蹴りは軸足の踵が浮く傾向にあり、中国武術や古式空手のそれは踵が地面に着いたままの場合が多いようです。

(別の言い方をすると『一軸系は踵が浮く傾向にあり、二軸系は踵が地面に着く傾向にある(『一軸と二軸』参照)』とも言えるでしょう)

これは、中国武術や古式空手の蹴りは、手技と同じく地面からの抗力(反発力)を用いるからで、足の裏が地面に接地していると無駄なく抗力を吸収することができるからです。また、ムエタイやキックボクシングでは、最初に蹴り足で地面を蹴って、その勢いを蹴りに繋げているようです。

同じ系統の蹴り技なのに、『動力源』が全く違うというのも非常に面白いですね。

2011年12月14日水曜日

稽古報告_111210

去る12月10日土曜日
アクター塾の本年度稽古納めが行われました。

参加者は清田裕也1名。

今回もマンツーマンということで、丁度よいので、日頃から気になっていた清田の骨盤の歪みを調整することにしました。

清田は真面目で頑張り屋なのですが、その割りにどうにも格好がよろしくありません・・・サマにならないんですね。

その根本の原因は、骨盤が硬いことと、それに加えて歪んでいることでした。骨盤は身体運動の要ですから、そこが上手く機能しないということは、何をどんなに頑張っても(言葉は悪いですが)無駄な努力となってしまうのです。

先ずは論より証拠、動画をご覧いただきましょう。




いかがでしょうか?

槍を振りながら回転する動作の『 Before After 』は、少々判りづらいとは思いましたが、敢えて紹介させていただきました。

違いが判らないという方は、目に見える形よりも、全体のフィーリングを観じてみてはいかがでしょうか?

硬い感じ・ぎこちない感じ・滑らかな感じ・流暢な感じ・・・

『動きを見る眼』というものは、案外こちらの方が大切な気がするのです。宮本武蔵の云うところの『観(かん)の眼で見よ』ということですね。

ところで、清田自身も語っていたことですが、骨盤が調整され、柔らかさと正しいポジションが戻った後には、動きが滑らかで楽になったというのです。特に、槍を振り回すのに(腕の)力が全然いらないと驚いていました。

動画からも観て取れるように、調整後の動きは、見事に下半身から力が伝わっています。故に、上半身の無駄な力が要らなくなったというわけです。

それもこれも、腰が正しく機能したからに他ありませんね。
いや~、腰ってホントに大切なんですね~~(笑)

2011年12月6日火曜日

クリスマスツリー

いや~、早いもので もう師走になってしまいましたね。

というわけで、スタジオ入り口に
毎年恒例のクリスマスツリーが飾り付けられました!!



いいですね~!
これを見てるだけでも気分がウキウキしてきます。

早くクリスマスが来ないかなぁ~~!!
って、その前にデータ処理、データ処理・・・(汗)

2011年12月1日木曜日

笠原竜司さん

超ひさびさの『アクターさんいらっしゃい!』のコーナー。
四人目にご登場願うのは笠原竜司さんです!(HP



でも、『さん』付けはちょっと照れくさいですねえ・・・
何しろ JAC 時代のモロ同期なんで(笑)

共に稽古で汗を流した仲です。

そんな彼と、今回、二十五~六年ぶりに共演することが叶いました。

二十五年っつったら町田先生の教師生活と一緒ですよ!
お互い年をとったものです(笑)

ところが彼は、ふけるどころか益々パワーアップしていました。

なんですか このガタイは?!



写真で見るとそうでもないですが、生で見ると小山のような迫力があります(笑)

なので、舞台や映像、声優の現場でも活躍している彼ですが、実はモーションアクターとしても輝かしい経歴を持っているのです。

パワー系のキャラ、例えば『世紀末に拳骨で覇権を争う人達(笑)』なんかをやらせたら、彼の右に出る者はいないんじゃないかとさえ思っちゃいます。

でもね、パワー系だけじゃないんです、彼の持ち味は。

実はダンスも大得意で、見かけによらず(笑)柔らかでしなやかな動きもするんですよ。

時を経て、さらに芸に磨きがかかった笠原(← 呼び捨て/笑)・・・
塾長も負けずに頑張らなくっちゃ!!

2011年11月29日火曜日

成瀬優子 デビュー!!

アクター塾が発足して一年余り・・・
ようやく塾生の一人を現場デビューさせることができました。

(時間かかったなあ・・・/笑)

その名は成瀬優子!!



彼女なりに精一杯頑張りました!!
私から見ても合格点は上げられると思います。

今後も精進を重ねて
一流のモーションアクターを目指しましょう!!

2011年11月21日月曜日

蹴り技各種_1

さあ、いよいよ蹴り技の具体的な解説です。
今回は、『前蹴上げ』・『横蹴り』・『内回し蹴り』の三つをご紹介しましょう。

前蹴上げ

先ずは『前蹴上げ』ですが、この蹴りは、足腰の柔軟性を高め、蹴りのバランス力を向上させる鍛練的な意味合いを持っています。実際に蹴る場合は、相手の顎を、爪先や背足を使って(『攻撃部位』参照)下から蹴り上げます。低く出して、金的などを蹴るのも有効です(笑)

また、『踵落とし』の前段階(振り上げ動作)にも通ずるものがあります。


横蹴り

足刀を使って(『攻撃部位』参照)自分の横の敵を蹴るのが横蹴りです。アクションにおいても大変ポピュラーな蹴りです。動画の中でもご紹介していますが、軸足(立っている方の脚)の返しを上手く使えば、自分の正面の敵も蹴ることができます。

実戦では、低く、コンパクトに蹴り出して、相手の膝関節を挫くのに役立てたりもします。


内回し蹴り

脚を大きく回し、爪先や足刀部分で蹴るのが内回し蹴りです。大変見栄えのする技なので、アクションでは多用されます。但し実戦では、低く、コンパクトに回して、武器を持った相手の前腕や脇腹の肉が薄い部分を蹴ったりします。

また、『踵落とし』の振り上げ動作として、『前蹴上げ』とは別の軌道として使われることもあります。


2011年11月18日金曜日

作用反作用の法則

今回ご紹介する原理は『作用反作用の法則』です。

中国武術の型などでは、片手で剣を振りながら もう片方の腕を高く掲げたり、場合によっては片足を上げたりもします。あれは格好をつけているのでもなんでもなくって、そうした方が『剣を勢いよく振ることができる』からなのです。

物体が運動する際には、必ず反作用が生じるということは皆さんもご承知だと思いますが、身体を使った運動にも同じことがいえるのです。腕や脚を勢いよく動かすと、そこで生じた反作用は体幹(胴体)に向かいます。そこで体幹を固めてしまいますと、それがブレーキとなって、目的とする腕や脚の運動を鈍らせてしまいます。逆に、体幹を柔らかく使い、主たる運動をする腕や脚とは反対側の腕・脚にその反作用を逃してやれば、非常にスムーズに目的の運動を遂行することができるのです。

小難しいことを書きましたが、例えば皆さんが、歩いたり走ったりする時に腕を振らずに行ったとしたらどうでしょう?何か窮屈で、非常に歩きづらい、走りづらい感じがすることと思います。

そうです、この場合の脚の動きが『目的の運動』で、腕の振りは、そこから生じる反作用を解消する働きをしていたのです。

武術の場合はもっと複雑で、最初は、おそらく反作用の解消のためであったであろう腕・脚の上げが、長い年月の間に洗練され、攻撃と防御をも兼ね備えるようになってきました。例えば、剣の振りや拳の突きと一緒に上げられる脚には、相手の突き蹴りを防御したり、または積極的に相手を『蹴る』という意味が込められています。つまり『攻防一体』、もしくは、剣(拳)と脚による『同時攻撃』という意味合いです。



この原理は、先ほどの『腕を振らずに歩く・走る』のところでもご紹介しましたように、よくよく観察してみれば、私達の日常にも普遍的に見られる事柄です。

これからは、ご自分の日常の動作を意識的に感じてみてはいかがでしょうか?きっと素晴らしいアニメーションをお作りになれることと思いますので。

2011年11月14日月曜日

稽古報告_111112

11月12日(土)の参加者は加藤千尋(ブログ)一名。

せっかくのマンツーマンですからね~、彼女の『テレビドラマで女刑事を演じたい!』という夢に応えるべく (モーキャプもやろうね/ 笑)今回からアクションの練習です。

時代劇の殺陣の経験はある彼女ですが、アクションは未経験です。なので、今回は、基本的なパンチ・キックに限定して指導させてもらいましたが、なかなかどうして、威力のある突き蹴りを出してくれます(笑)

子供の頃から和太鼓を練習してる彼女は、足腰の基礎が既に出来上がってるんですね。

それ故、この段階では空手っぽい体捌きになっていますが、ここにキックボクシング風の伸びやかさが加われば、かなり見栄えのするアクションが演じられると思います。



既にアクション女優の片鱗を覗かせる彼女・・・

女刑事になる日もそう遠くない事かと思われます。
女宇宙刑事でもイケてるかと思われます。

がんばれ千尋! 目指せ 女刑事!!

(キャプチャースーツも着ようね~/ 笑)

2011年11月9日水曜日

シーソーの原理

今回はアクション講座の原理編です。

キックの具体的な解説に移る前に、二つばかし原理の説明をさせていただこうと思います。

初めにご紹介するのが『シーソーの原理』。軸を倒すことによって生まれる運動エネルギーを技に活かすというものです。

以前ご紹介した『全身を導く頭の動き』では、重い頭が落下しようとする際に生まれる運動エネルギーの話をさせていただきました。

『シーソーの原理』もこれとほぼ同じで、上体がシーソーのようにパタンと倒れようとした場合に、大きな運動エネルギーが生じるという理(ことわり)です。

それを、脚を持ち上げる仕事に使えば蹴りに、倒れながら腕を出せばパンチになるといった具合です。



倒れる、転倒するということは、二足歩行をする我々人間の宿命ではありますが、それはまた、逆に福音でもあると思うのです。

『わざと倒れる』・『わざと崩れる』といったテクニックは、武道・格闘技に留まらず、スポーツや舞踊にも幅広く見られる事象だからです(そういえば、「歩きというのは常に倒れ続ける運動だ」と習った覚えもあります)。

皆さんも、日常の中でもし倒れそうな事態を経験された時には、「しめた!」とばかりにその状態を味わってみてください。アニメーション作成への思わぬヒントが得られると思いますので。

つっても、最後まで倒れないでくださいよ!怪我しちゃうから(笑)

2011年11月3日木曜日

攻撃部位

今回は攻撃技における手足の形、及び相手に当てる場所をご紹介しましょう。

拳頭(けんとう)

まず初めに拳の当てどころですが、空手や現代格闘技では、もっぱら人差し指と中指の根元の関節(医学用語で中手指節関節)を使っているようです(空手ではこの場所を拳頭と呼びます)



各指の真ん中の関節

中国武術や古流空手では、人差し指や中指の真ん中の関節(近位指節間関節)で当てる場合もあります。接触面積が小さいほど、相手の急所に当て易くなる利点があります。ちなみに写真の手の形は、中国武術では『龍頭拳(りゅうとうけん)』、空手では『中指一本拳』などと呼びます。



爪先・背足(はいそく)

中国武術の蹴り技において、もっとも多用される部位が爪先です。これは靴を履いている事と関係していますし、上の龍頭拳同様、急所を狙うのにとても適しているからです。また、中国武術や古流空手の下から跳ね上げる蹴り(金的蹴り等)や現代格闘技のいわゆる回し蹴りでは、足の甲(空手用語では背足)が用いられます。



中足(ちゅうそく)

空手やキックボクシング等素足で行う競技では、前蹴りを写真のように足の指の付け根の関節(空手用語で中足)で当てます。硬い部分なので威力は抜群です。



足刀(そくとう)

蹴りのある武道・格闘技において、横蹴りを蹴る時は殆どの場合、足の側面=エッジを用います(空手用語で足刀)。但し、足の裏全体で蹴る流派もあります。



足裏・踵

キックボクシングでは、相手の出鼻をくじく為、足の裏で相手の胴体や蹴ってきた腿を蹴ることがあります(ストッピングといいます)。中国武術では、もっぱら相手の下腹部や膝頭を正面から蹴るのを得意とします(エグ過ぎです/笑) テコンドーでは、高く振り上げた足を振り下ろす『踵落とし』が有名ですが、中国武術では相手の脛を正面から蹴るのが大好きです。

2011年10月31日月曜日

受け技各種_2

本日は、太極拳の代表的な受け技『雲手(うんしゅ)』をご紹介しましょう。



ご覧の通り、雲手は両腕を外側に向かってぐるぐる回すのが基本です。

よって、その動きの質感は、空手の受け技のように『叩く』『砕く』というよりは、『こする』『そらす』『からめる』といったものがメインになります。

『叩く』『砕く』では相手の拳足(けんそく)を破壊するのが目的ですが、、『こする』『そらす』『からめる』では、相手の重心を崩すことが主な目的となります。もちろん、小手先で『こする』『そらす』『からめる』をやってしまっては、相手を崩すどころか、相手の技を受けることすらできません。なので、雲手に限らず、太極拳の技は全て腰(丹田)から発せられなければならないのです。

また、『こする』『そらす』『からめる』は、太極拳の専売特許ではなく、中国武術や日本の古武術にも広く見受けられるものです。

今後も折に触れてご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに!

2011年10月26日水曜日

武器庫

弊社スタジオには武器庫なるものが存在します(笑)

もちろん小道具の武器を収める場所ですが、先日その整理をいたしました。



ぎゅうぎゅうに詰め込まれた武器達を、一旦全部外に出して、「いる物」と「いらない物」に仕分けします。なんだか小学生の頃の片付けみたいですね(笑)


どうです~?壮観でしょう?!

スタジオの歴史を感じます。

塾長も大工仕事が大好きなので、これからもカッコいい武器をバンバン作って、撮影に貢献していきますよ~!!

2011年10月22日土曜日

受け技各種_1

アクション講座、お次は『受け技(防御)』です。

受け技と一言で申しましても、(いつもの如く)種目や流派によって千差万別ありますから、今回は、空手をベースに私がアクション用にアレンジしたものをご紹介することにいたします。



アクションを観賞したり、または演じる際には、攻撃技ばかりに目がいきがちですが、上手い受け技があってこそ場面が引き締まるというものです。これからは、受け技の方も意識してご覧になるよう心がけてみてください。

<補足>
「パンチは脚で打つ」ということを強調してまいりましたが、受け技も全く同じ構造を持ちます。今回ご紹介した受け技は、(パンチと同じく)脚で床を蹴った時に生まれる反発力(抗力)を前腕に伝えています。でなければ、腕だけの力で相手の強力な蹴りを受けられるはずがありませんから(へし折られてしまいます/ 笑)

また、中国武術の受け技では、以前ご紹介した『丸まる腰』から生まれる力や、体幹をクネクネさせて作る『波の運動』を腕に伝える方法などもあります。

2011年10月17日月曜日

稽古報告_111008

あいや~!レポートが一週間も遅れてすいません!!

去る10月8日(土)、清田裕也・成瀬優子の二名を参加者に、アクター塾の稽古が行われました。

今回塾長が選んだテーマは『間合い感覚』。
そう、「あいつは間が悪いんだよな~」の『間合い』です(笑)

殺陣やアクションを演ずるに当たって、最も重要なものは間合い感覚だと塾長は思っています。そもそも、決められた振り付けがある『お芝居』なのですから、そこから外れるようでは、芝居が成立しないどころか相手に怪我をさせてしまうかもしれないからです。

なので、武道やアクションにおいても、その間合い感覚を養成するための稽古方法が必ず用意されているものです。いわゆる『約束組み手』というやつです。決められた、しかも単純な攻防の型を、二人組み(もしくは複数名)になって練習するものです。これを一通りこなせれば、ほとんどの人はその種目(流派)における間合いを身に着けることができるようになっています。

ところが、中には一筋縄ではいかない人もいて(笑)、これが指導する立場の者を悩ませるわけです。

「ここに止まってくれ」と言っても突っ込み過ぎてぶつかりそうになったり、「腕にパンチをくれ」と言っても顔面にパンチをよこしたり・・・(苦笑) 当人はいたって真面目なのに身体が思うように動いてくれないようなのです。

長い間俳優養成所などで指導してきた経験から、私は、「このような人達にとって、約束組み手で要求される間合いは大雑把過ぎるのだ」ということに気づかされました。

こういった人達には、もっと細かい、緻密な間合いを提供してあげなければならないのだと・・・

そこで思いついたのが、アクションの時間に太極拳の練習方法『推手(すいしゅ)』を導入することでした。

(↓ )推手の一例です。



ご覧の通り、推手は常に触れ合っていなければなりません。これは太極拳の独特な間合い(超接近戦)から必然的に生まれた攻防の練習方法なのですが、この『必ず触れていなければならない』という縛りが、練習者の間合い感覚を短期間で成長させてくれるのです。

例えば、『離れた間合いから打ち出されたパンチを上段受けで受ける』といったシチュエーションの場合、受ける側も攻撃する側も、意識すべき接点は互いの前腕が交差する一点のみです。

ところが、必ず触れていなければならないという制約の中では、接点は(丁寧にやればやるほど)アナログ的に無限に存在することになるのです。丁度CGアニメーションの編集で、身体に触れながら手を移動させるのが(女性キャラがボディラインをなぞる時など)えらい難儀なのと一緒です(笑)

意識すべき点、制御すべき身体のパーツが、一点で触れている時とは比べものにならないくらい増えるからです。

というわけで、塾長がこの方法を採用してからというもの、生徒さん達の間合い対する理解が格段に早くなったような気がします(特に、運動経験のあまりない女性の皆さんの)

それから私は、殺陣の剣捌きにも、何でもかんでも推手を応用するようになってしまいました(笑)



(アクターさんの)皆さんも是非、ご自身の練習に取り入れてみてはいかがでしょうか?

決まりなんてありません!途切れのない、流れるような動きであれば全てOKです!!後は、できるだけゆっくりと丁寧に行っていただければ、成果はみるみる上がることと思いますので。

2011年10月6日木曜日

マーカー作り

すっかり秋めいてまいりました・・・
皆様、いかがお過ごしでしょうか(笑)?

さてさて、我がキャプチャー班は、現在スタジオの備品整理などに追われております。春先から先月まで続いた撮影ラッシュにようやく一区切りがついたからで、次の波が来る前に、溜まってた仕事を一気に片付けてしまおうという作戦です(それにしても忙しかったなぁ~・・・皆さんの方はいかがだったでしょうか?)

さてさて、備品整理で一番重要なものは新しいマーカーを作ることです。



マーカーというのはアクターさん達の身体に着ける反射材のことで、これに赤外線を反射させ、それを幾つものカメラから捕らえて三次元の位置を割り出すというのですから、モーキャプの備品の中ではかなり重要な位置を占めるものです。

古くなって反射が悪くなったマーカーを使っているとデータにノイズが乗ったりしますからねえ。理想はいつも新品のピカピカを使いたいものです(笑)

また、市販もされているのですが、当スタジオでは手作りにこだわっています。アクションの多い撮影だと、アクターさん達がゴロゴロ転がったりしますから、できるだけそれに負けない強度のものを作りたいからです。


それでは早速、作り方をご説明していきましょう。

先ず材料ですが、本体となる部分は下の写真のようなスポンジ球を使用します。



次に、シート状で販売されている反射材を、細かく、テープ状に切り揃えます(これがまた大変!)



そうして、これらの反射テープを先程のスポンジ玉に根気よく貼っていきます。



ご覧の通り、恐ろしく細かい作業です(笑)

反射テープの裏面は粘着式になっていますので(しかも粘着力強し!)うっかり変なところに着けてしまうと、なかなか剥がれてくれません。無理して引っ張ろうものなら、柔らかい反射材がミョ~ンって伸びてしまって使い物にならなくなってしまいます。


そんな苦労の甲斐あって、ようやく一個のマーカーが完成しました!

「いいデータを撮らせてくれよ」と心の中で囁きかけます(笑)



本当はこの後、このマーカーを台座(マジックテープ)に貼り付ける作業が残っているのですが、マーカー作りの肝は『反射テープを、いかに皺なく、均等に貼り付けることができるか』ですので、ご説明はここまでとさせていただきます。

それにしても、この作業、本当に根気と手先の器用さが求められます。

それでは、超久々にモーキャプマン(モーキャプスタッフ)心得なんぞを・・・モーキャプマンにはクラフトマン魂が必要なり~~(笑)!!

2011年9月29日木曜日

パンチの重心

今回はパンチの重心に関するお話をしましょう。

と申しましても、重心は種目や流派においても千差万別、とても一度にご紹介できるものではありません。なので、ここではあくまで「こういう傾向があります」という概略に留めさせていただきたいと思います。



武道・格闘技好きの方達にとってはあまりに基本的な事象ではありますが、専門学校の学生さんや、プロのアニメーターさんでも女性の方で、あまりこういった事にお詳しくない方達にとりましては 少しはお役に立てることかと思います。

後、動画の補足ですが、『現代格闘技と伝統拳の前後の重心』に関してあれこれ説明していますが、実戦(生の動き)では、ほぼ半分のシチュエーションにおいて、身体の移動(ステップイン)を伴うということを覚えておいてください。この辺さえ押さえておけば、パンチの重心移動に関する表現は問題ないかと思われます。

<< 補足の補足 >>
伝統拳の型等では、どっしりと腰を落としてその場で行うものが多いですが、これは実は、『脚から生まれた力を上体に伝える』ことを学ぶための方便であり(初心者がいきなり高速移動をしては、その原理を見失ってしまいますので)また、高速のステップインを可能にするための足腰の鍛錬の意味も含まれています。

2011年9月25日日曜日

一軸と二軸

以前、軸のお話をさせていただいた際に、『背骨に沿った軸(中心軸,センター)の他にも軸は存在する』と説明いたしましたが、今回は『左右の股関節を上下に貫く軸』のお話をしたいと思います。

ここでは便宜上、通常の中心軸を『一軸(果物ではありません/ 笑)』、股関節を通る軸を『二軸』というように呼ばせていただきたいと思います。





さて、二軸を使う利点ですが、この軸を用いることによって『背骨を捻じらずに上体の向きを変えることができる』ということです。それによって、背骨が『捻じる動作』から解放され、その分、『上下に伸びる動作(『立つ腰』参照)』また、『左右の揺れを伴う運動(『肋骨と肩甲骨』参照)』などにその力を使うことが出来るのです。

それによって、同じ方向に力を注ぐにしても、単に一軸で上体を捻じった時よりも、より複雑な運動(効果)を目標に作用させることができるのです。

言葉で説明されてもイメージが湧き難いでしょうから
早速、動画でご確認いただきましょう。



一見して、二軸の時の方が上体の動きは少ないように見えますね。落ち着いた感じがします。故に『頑張ってる感』も少ないかと思われます(笑)

ですが、これまでご説明してきましたように、外には現れないだけで、身体の内側では背骨の『うねり』やら『伸長(上下への伸び)』やら、後、最も大切なことは『股関節の捻じれのパワー』が生み出されているということなのです。

股関節の筋肉というものは、非常に質量があり、かつ強靭なものです。それらが生み出す捻じれのパワーを上体に伝えることができれば、どれ程の威力が生じるかは想像に難くないはずです(前回の『パンチは脚で打つ!!』の状態ですね)

このように、全ての運動において(格闘動作,舞踊動作・・・)二軸はその威力(表現力)の核となるべき存在となっているのです。

ただし、一軸のみ、二軸のみという運動はさほど多くはありません。大抵の運動においては、一軸と二軸が複雑に絡み合い、協同しているものなのですから(野球のピッチング動作などはその好例だと思います)

傾向としましては、足幅が狭く、かつ内股の構えでは一軸になる場合が多く、逆に足幅が広く、かつ外股の場合は二軸になる場合が多いようです(いずれも例外があります)

これから皆さんが運動をご覧になる際には、この『一軸と二軸』にご注目されることをお勧めします。それによって、皆さんの運動へのご理解が格段に深まることと思いますので。

2011年9月23日金曜日

パンチは脚で打つ !!

さてさて、パンチの威力というものは軸の回転からだけでは不十分です。脚(足)で床を蹴り、そこから生じる反発力(抗力)を使ってこそ本物の威力とキレが出せるものなのです。

それでは、早速動画をご覧いただきましょう!



補足説明ですが、動画の中で『ワンツーパンチの<ワン>は前脚の蹴る力を用いる』と説明していますが、実際は(パンチは殆どの場合動きながら打つわけですから)、前方に踏み込んだ(ステップインした)際に踏ん張る力を使います。

(これら両脚の踏み込みと上体との関係は、野球のピッチング動作等でも観察することができます)

また、伝統拳(伝統武術)では『脚が生み出す力を重視している』と説明してありますが、特に中国武術においては、古来様々な歩法(ステップ)が研究されてきました。中には、運動の素人さんから見ると滑稽に映るものもありますが、実はそれらは、強力な威力を生みだすため、開祖たちが命懸けで編み出したものだったのです。

というわけで、パンチのアニメーションを作成される際には、是非とも脚の細部にまで心を配っていただければと思います。

2011年9月20日火曜日

パンチは軸で打つ!!

アクション講座を始めてから何ヶ月が経ったでしょうか?
ようやく・・・ようやくパンチの基本の解説です(笑)

さてさて、現代格闘技 及びアクションにおけるパンチの基本は、腰の水平回転を上体につなげることです。この運動構造は近代西洋スポーツに多く見られるもので、例を挙げれば、野球のバッティング、テニスのスイング等々・・枚挙にいとまがありません。

それ故、すっかり西洋化してしまった我々日本人において、最も馴染みの深い動きだと思われます。ということは、アニメーションにも必須だということですね(笑)

さて、腰の水平回転を上体につなげるために最も重要なものは『軸』です。軸がふらついていては腰から生まれた回転力があらぬ方向に逃げてしまうからです。

というわけで、『パンチの基本で一番重要なものは軸』ということになるわけです。

軸に関するご説明 は一番最初にさせてもらいましたので、そちらをご参照いただければと思います。また、動画の方も、軸の時のものと内容が重複しますので、あっさりめに編集しております。

決して手抜きをしてるわけじゃありませんよ!
何事も順番が大事だからです!

じゅ・ん・ば・ん(by サツキ)!!

2011年9月18日日曜日

『武術の原理』

そうそう、忘れてました。玄舟塾(殺陣の教室)時代に私が管理していたHP『 武術の原理 』をご紹介するのを。



これは、以前ご紹介した『Web殺陣教室』と並行して作成されたものですが、『Web殺陣教室』が殺陣の技の具体的な解説に終始していたのに対し、より本質的な身体の使い方に言及したものです。

なので、最近の体幹の話題のような、深い話がお好きな方には是非ご覧になっていただきたいと思います。

ま、あいかわらず
アニメーションには全く役立たない話ばかりですけど(笑)!!

2011年9月11日日曜日

体幹から生まれるキレ

長らく続いた体幹のお話、今日が一応の最終回です。

よく「あのアクターさんの動きにはキレがある」という言い方をしますが、その『キレ』がどこから生まれるのかご存知でしょうか? 運動家によって意見は様々でしょうが、塾長は、やはり体幹から生じると考えています。

塾長の考えるキレの定義とは

体幹中の諸々の筋肉がマシュマロのように柔らかく、且つ、鋼のように硬く使えること。つまり、弛緩と緊張の幅が広いこと。

骨盤・肩甲骨・肋骨等がバラバラに、かつ一本の棒のようにまとまっても使えること。要するに、分立と統合の幅が広いこと。

尚且つ、なるべく短時間でこれら両極の局面に移行できる=動作が素早いということ・・・です。

例えば、子供は身体が柔らかいですが、それ故にキレのある動きは難しく、また、老人は身体が硬い故にキレのある動きとは無縁です(キレがあったら怖いです/笑)

スポーツや武道では、身体の硬い人の方がバネがあり、キレのある動きが得意とされていますが、そういった人達が苦労をして柔らかさを身に付けた暁には、前にも増してキレが出せるようになるものなのです。



というわけで、何をするにも体幹が大事だということはガッテンいただけたでしょうか?

次回からは、ようやく具体的なパンチ・キックの解説に入りたいと思っています。

おそらくは、一般的な格闘動作の解説になるとは思いますが(クネクネとかしない)、それらレギュラーな動きの中にも、今までご紹介してきた様々な『原理』が息づいていることを知っておいていただければ、そのご理解もより深いものになることと確信しています。

それでは、次回からのアクション講座をどうぞお楽しみに!!

2011年9月7日水曜日

システマ

体幹の話が続いている中で、とても興味深い武術を見つけました(活劇座の古賀さんが教えてくれました!)

それは『システマ』といって、ロシアの軍隊で採用されている格闘術のことなのですが、その基本原理と戦闘方法が非常にユニークで、脱力と『体幹からの連動システム』をその基本原理としていることと、超接近戦のカウンター攻撃を得意としていることから、私はこれを初めて見たとき太極拳かと思ったくらいです(笑)

つまり、両者はそれほど似ているということなのですね。
それでは、早速、その戦い方を見ていただきましょう。



いかがでしょう?私がこれまでお見せしてきたような「怪しげな臭いが」プンプンしますねえ(笑)

至近距離からの、しかも軽く出しただけのパンチで大男が悶絶する・・・軽く撫でているだけなのに、大男達がこれまた面白いようにひっくり返される・・・(笑)

信じられないかもしれませんが・・フカシこいてると思われるかもしれませんが(笑)、これが現実です。脱力と体幹からの連動システムが実戦で通用するという証なのです。何故なら、役に立たないものを、命を懸けるに値しないものを一国の軍隊が採用するはずがないのですから。

というわけで、お次はそのトレーニング方法です。
私はこれを初めて見た時、ニヤニヤしっぱなしでした(笑)



どうです?
これでもか!というくらいにクネクネしてますねえ~!!

私、めちゃくちゃ親近感湧くんですけどぉ(爆)!!

さてさて、武道家としての私は、この脱力と体幹主導の動きを極めていければそれで良いとさえ思っているのですが、殺陣師・アニメーターとしてはそうも言っていられません。

何故なら、太極拳の時にもお話しましたが、脱力系の動きでは迫力が出せないからです。いや、脱力系の人間にとってはそれで十分面白いのですが、普通の人達が見たら「なんじゃこれ?」って思われるのは間違いないですからねえ(笑)

何かこう、こういった脱力系の動きをカッコ良く見せる方法はないものですかねえ・・・

どなたかお知恵を貸してくださらないものかしらん?

2011年9月2日金曜日

無刀取り(素材)

今日は無刀取り(むとうどり)のお話をしましょう。

無刀取りとは読んで字のごとく、相手は刀を持っている状態、尚且つ自分は素手のままで相手の刀を奪う(もしくは、奪わないまでも制圧する)ことを指します。

映画やアニメでは、直接相手の刃を手で掴む場面が多く描かれていますが(真剣白刃取りですね)、マニアックな技が大好きな塾長といえども、これらはフィクションではないかと思っています。まあ、武道の演武ではしばしば見受けられることですが、試合形式で自由に攻撃しあう中でこれをやった人を未だかつて見たことがないからです(笑)

塾長の知っている無刀取りの要点は、相手の『手首』を取りにいくというものです。手首であれば自分の手が切られる心配はありませんものね(笑)

ただし、実戦でこれを使うとなると、かなりの度胸と踏み込みの速さが必要となります。踏み込みが甘ければ、たとえ相手の手首に触れたとしても、降ってきた刀に頭を割られてしまいますからね(笑)

というわけで、無刀取りを題材にした『手(て:振り付け)』を二つご紹介しましょう。皆さんのアイデアの参考になれば幸いです。




下にご紹介するのは山本周五郎の短編小説『雨あがる』を舞台にしたときの映像です(もちろん映画も有名ですね)。喧嘩の仲裁に入った主人公が、あっという間に四本の刀を奪い取るという場面です(笑)

2011年8月30日火曜日

稽古報告_110827

先週の土曜日、ゲリラ豪雨が心配される中、稽古に来てくれたのは加藤千尋さん(ブログ)でした!

マンツーマンのトレーニングなので、何かリクエストはあるかと彼女に尋ねたところ、『ガンアクション』がやりたいとのこと。最近映像の方でも仕事が増えた彼女は、できれば女刑事をやってみたいのだそうです。

「あ、そう。ガンアクションね、まかせといて・・・」

とは言ったものの、塾長のガンアクションの経験は、二十年以上前にデパートの屋上でジャスピオンをやったときぐらいのもの(笑)

しかも、普段はガンアクションの映画なんかほとんど見ないし・・・唯一大好きなガンアクションものは『リベリオン』だし(ガンカタ!!)

・・・そもそも、今更飛び道具なんて使えないでしょ、このわしが?!(いつの時代だ?)

とはいっても、可愛い教え子のため
その場で練習体系と型まで作っちゃいましたとさ(笑)



ご覧の通り、ガンカタそのまんまです(笑)

でもね、私が慣れない武器を持つときは、ある基準を持ってそれを扱うようにしています。それは『体幹を、いかに効率よく、美しく動かすことが出来るか?』ということです。

なので、結構カッコよかったでしょ、加藤さん(笑)?!

2011年8月26日金曜日

功夫アクション(素材)

手抜き更新の続きです(こら!)

前回二つのスタイルをご紹介しましたので、その流れで、今日は功夫アクションをご紹介したいと思います。

これまでもお話してきたとは思いますが、塾長は太極拳を20年以上修行しています。それと並行して形意拳(けいいけん)と八卦掌(はっけしょう)という武術も修行してきました。

この三つの拳法は、原理としては内家拳(ないかけん)という種類に分類されます。内家拳というのは『気』を基本原理とした武術に与えられる呼称ですが、太極拳・形意拳・八卦掌はその原理の相似性から、まとめて『内家三拳(ないかさんけん)』とも呼ばれています。要するに兄弟関係にあるということですね(笑)

しち面倒くさいことを書いてしまいましたが、内家拳というものは、判りやすく言うと『通好のみ』な拳法だということです(笑) もっと噛み砕いて言うと『地味』な拳法だということです。だって、形意拳にこそ僅かにありますが、太極拳と八卦掌に至っては、ジャンプをする型すら全くと言っていいほど存在しないのですから。ましてや、空中回転蹴りなんてあろうはずもありません(笑)

そんな拳法をモチーフに、私が手(振り)を付け、私が演じた功夫アクションをどうぞお楽しみください!!

(あ~、前置き長かった・・・)

2011年8月24日水曜日

アクション振り付け_2

すいません、忙しいので手抜き更新です(汗)
今日ご紹介するのは異なる二つのスタイルです。

最初にご覧いただくのは
ちょっと昔に流行った日本式のアクションです(笑)



塾長が若かりし頃はこういうスタイルを一生懸命稽古していたものです。いや~、懐かしいですねえ。

次にご紹介するのは、香港スタイルとまではいきませんが、ほんの少し香港テイストを盛り込んでみたものです。



なんか、あまり違いはありませんが(笑)、強いて言えば裏拳なんかを使ってるところが香港ぽいかも?です。

ま、どちらも古臭い感じは否めませんけど・・・

最近のアクションはテンポが速くてスタイリッシュですからねえ・・・おじさんはついていけません(笑)

2011年8月18日木曜日

肋骨と肩甲骨

前回、肋骨のお話を少しさせていただきましたが、今日はその補足です。

頭と腰(骨盤)によって作られた背骨の絶妙な動きも、肋骨と肩甲骨が硬かったとしたら、そこでストップさせられてしまいます。

何故なら、(特に)肩甲骨は胸椎と一体になっているからです。

また、肩甲骨と肋骨の間の筋肉が硬化してしまっていても、背骨の運動が阻害されてしまいます。(猫科の動物の肩甲骨周りがゆるゆるに動くのを思い出してください)

つまり、骨盤が体幹の『下の要』というならば、肋骨と肩甲骨は『上の要』ということになるのです。

今回は肋骨と肩甲骨の動きを強調した動画をご紹介しますのでどうぞご覧ください。



いかがでしたでしょうか?

肋骨と肩甲骨主導の動きというものは、とにかくクネクネしているものですね(肋骨はアコーディオンのじゃばらと同じ構造ですから/ 笑)

これは、西洋的な近代スポーツにはなかなか見られない動きです。たたし、どんな種目でも、世界のトップレベルのアスリートなら必ず使いこなしているものなのですが・・・

余談ですが、私もあるモーキャプ案件でアクターをしたときに、得意になって肋骨と肩甲骨をグニグニ動かしたことがあったのですが、実際にそのモーションをキャラクターモデルに入れてみたところ、特に肩甲骨の動きが変な形で肩のリグに入ってしまい、思ったような結果にはならなかったことがあります。

それはそうです。よく動く肩甲骨は(構造は別として)機能的にはひとつの『関節』のような働きをするものですから、その動きをモデルに反映させるためには、相応の『仕込み』が必要だったのかもしれませんね(笑)

さあ、今回で『深い話』は一区切りです。
(一通り満足しました/ 笑)

次回も体幹のお話をさせていただきますが、よりアニメーションに活かせる情報をお届けしたいと思います。

まだまだ暑い日が続きますね。
体調管理に気をつけて残暑を乗り切りましょう!!

2011年8月12日金曜日

オレンジ部隊

これまでも 何度かこのブログに登場してきた『オレンジのつなぎ』ですが、これ、実はモーキャプ班が撮影に臨む際の『制服』みたいなものだったんですねぇ。



オレンジはイブキのイメージカラー、つなぎにしたのは、セット等を組む際に動きやすいからです。後は、撮影現場で一目でイブキのスタッフであることが判るという利点もあります(目立ちますからねえ/ 笑)。

初めて弊社にいらしたクライアントさんやアクターさん達からは「レスキュー隊ですか?」とか「引っ越し屋さんですか?」などといじられたりしますが、いじられるのが大好きなスタッフばかりですので、どんどんいじってやってください(笑)!!

2011年8月7日日曜日

体幹の威力

体幹の話、まだまだ続きます・・・(笑)

体幹の威力を証明する素敵な動画を見つけました(↓)



実はこの方、運動部員D(好きな特撮『怪傑ズバット』)のダンスの先生なのですが、本当に見事なスイカ割りを体現されています。断っておきますが、この方はもちろん格闘技経験はゼロで、また、見るからに細い腕をされています。

それなのにこの威力です。

この運動を解説いたしますと、腕を振り上げた際に肋骨を大きく広げています。そう、今の若い人達は固まって鳥カゴのようになってしまっている肋骨ですが、本来それを繋げているのは筋肉ですので(肋間筋といいます)、身体が使える(柔らかい)人というのはそれを大きく引き伸ばすことができるのです。それを一気に引き締めるとこれだけの威力が出せるということなのです。考えても見てください。肋間筋の総量というものは相当なものになるはずです。その全てが一瞬で伸縮をしたとしたら、かなりの運動エネルギーを生みだせるはずなのです。

余談になりますが、中国武術の型には虎や蛇など動物の動きを模したものがいくつも存在しますが、あれはこのダンスの先生のように『いかに体幹から威力を生み出し、かつ、それを四肢に伝えるか』を、昔の武術家達が工夫研鑽した賜物だったのです。その意味では酔拳なども同じで、決して格好を付けているわけではなかったのです(笑)


体幹の威力は打撃技に限ったことではありません。

下の動画は、柔術や合気道など、『組み技系武道』の高段者が行うパフォーマンスですが、相手に自由に組みつかせ、それを手足を使わずに振りほどくというものです。



これも もちろん体幹の威力が為せる業です。

丁度、皆さんがでっかいマグロにしがみ付いていると思ってください(笑)それがブルブルッと身振るいをしたとしたら、きっと皆さんはこんな風に吹き飛ばされてしまうことでしょう。

もちろん実戦では、敵は動画の二人のようにじっとしがみ付いてくれているわけではありません。なので、相手のタックルを切る際の、逆に自分が相手に崩し技を仕掛けていく際の、ほんの一瞬の隙を突いてこのブルブルッをやるわけなのです。

いかがでしょうか、この奥深い身体のお話・・・

私は楽しくて楽しくて仕方ありませんが、皆さんにとっては、もっと具体的な、例えば手足の上げ下げ(パンチ・キックの形)の情報が欲しいところだとは思います。

・・・なので
深い話に飽きたらやらせていただきます、そのうち(笑)

2011年8月3日水曜日

サバゲー部

弊社には運動部の他に『サバゲー部』なるものがありまして、年に数回催されるサバイバルゲームの大会に参加すべく、日夜・・・時々・・・稀に(?)・・・スタジオで練習を繰り広げています。




「俺の後ろに立つな!」




「俺はジャックゥ~バウアァ~~!!」


そして下が、先週末に行われた とある大会での部員達の勇姿。



どーでもいいけど、戦場でオレンジのつなぎ着るのはやめましょうね~。命がいくつあっても足りませんから(笑)

2011年7月31日日曜日

太極拳打法

前回『イサミ』のお話の時に、太極拳の打法を『人体を水の入った皮袋に見立て、その水を揺らすことを基本原理としている』とご説明しましたが・・・

「フカシこいてんじゃねえぞ!
 そんなの漫画の中だけの話だろう?!」

って、思われる方も多いと思いますので、今日はちょっとだけその動画をご紹介したいと思います。ただし、却って不信感を煽ることにつながるかもしれませんが(笑)





いかがでしたでしょうか?

ブラウザを閉じるのをちょっとだけ我慢していただいて(笑)、もう少しだけ説明をお読みください。

この摩訶不思議な力はどこから湧いてくるかといいますと、(いずれアクション講座でもじっくりとご説明いたしますが)胴体、すなわち体幹から生み出されたものなのです。

以前、『全身を導く頭の動き』の時に胴体をクネクネさせている動画をご紹介したかと思いますが、あのクネクネ運動の、百倍細かく、百倍複雑で、百倍速い運動を行えばこのような『威力』を生みだすことができるのです(これもいずれご説明しますが、呼吸の力が深く関わっています)

このような力の使い方を、専門的には『勁(けい)』と呼び、一般的な力とは区別しています(勁を発することを『発勁(はっけい)』と呼びます)

勁は体幹から発生するため、身体のどこからでも相手に伝えることができます。今回ご紹介した動画では、相手に手首を持たせてそこから勁を伝えていますが、本来は、拳や掌を使って直接相手にぶち込むのがセオリーです。

この勁の利点は、ご覧のように、腕や脚を移動させる距離が必要ないということです(威力は体幹から発しているので) また、この運動の根本原理が、先にご説明しました『クネクネ運動』、つまり『波の動き』ですので、相手の体内の水分をよく揺らしてくれるということです。

この『波の運動』を頭に食らえば、一瞬で脳震盪を起こしてしまいます。丁度、グローブのような柔らかいもので頭を殴られた時と同じような状態になるわけです。

まさに、波紋というわけですね(笑)!!

実戦に於いてはいいこと尽くめの太極拳打法ですが
一つだけ困ったことがあります。

それは、アニメーションにはできないということです!!

この動画のような運動をモーキャプで撮影したとしても、胴体がブルブルッと震えるデータしか撮れないでしょう(笑) そんなもの、Motion Builder で Fカーブにフィルターをかけたら綺麗さっぱりなくなってしまいます(泣)!!

私の夢はですねえ・・・いつか、この発勁の運動を、正しい形でアニメーションにすることなのです。手からエフェクトを出すだけじゃなくってね・・・(もちろん それも必要ですけど)

どなたかお知恵を貸していただけないものですかねえ~(笑)

2011年7月26日火曜日

イサミ

弊社スタジオには移動式のサンドバッグが一つ置かれています。

あだ名は『イサミ』・・・



ええ、武道・格闘技関係者なら誰でも知っている、格闘技グッズの専門店です。つまり、このサンドバッグはそのお店の製品というわけなのですが、店名をそのままあだ名にするとは・・・極めて安直な話です(笑)

モーキャプの撮影では、正直、あまり出番のないイサミ。

まれに、柱に見立てて、寄りかかったり、抱きついたりする時に使用されますが、どちらにしても、本来の目的からはかなりかけ離れた使われ方をされています(笑)

でもご安心を。
運動部には重宝されていますよ~。



写真の運動部員S(キックボクシング歴三年、好きな食べ物『すあま』)も、気が向けばバシバシ蹴りまくっています。

もちろん、塾長も。

なにしろ、イサミの土台には水が入ってますからねえ(砂でもいいのですが)。

塾長が専門とする太極拳の打法は、人体を『水の入った皮袋』に見立てて(身体の約60~70%は水でできていますから)、その水を『揺らす』ことを基本原理としています(要するに『波紋』ですね/ 笑)

なので、水がいっぱい詰まったイサミは、またとない鍛錬具となるのです(笑)

仕事の合間に稽古が出来るなんて・・・
嗚呼、なんという幸せ者なのだらうか、私は!!

(↑ 思わず倒置法を使うくらい幸せってこと/ 笑)

2011年7月22日金曜日

モーキャプ大喜利

・・・すいません、本当にすいません。
万策尽きました・・・もうネタがありません。

というわけで、NHKの『 着信御礼!ケータイ大喜利 』大ファンの塾長が、勝手に『お題』を考えて勝手に『答え』を出しておきました!

疲れた頭をリフレッシュさせるのにお役立てください(笑)


【お題】

このモーキャプスタジオ、イラっとするなぁ・・・その理由とは?

【答え】

・オペレーターが「カメラ回りました!」という度にいちいち噛む

・大道具セッティングの時、全員で「よろこんで~!!」と叫ぶ

・↑ しかも声がふてくされている

・お昼のお弁当が菓子パンと牛乳だけ

・スタッフ全員がそろいのツナギを着ている(うちじゃ!!)

・↑ しかも週末は引っ越し屋さんに早代わり


【お題】

このアクターさん、イラっとするなぁ・・・その理由とは?

【答え】

・フェイシャルじゃないのにやたらと顔で演技しようとする

・気付くとショッカーの真似をしている

・気付くともじもじくんの真似をしている

・Tポーズに命を懸けている(そりゃ、わしじゃ!!)


・・・評判が良かったら、続きます・・・

2011年7月20日水曜日

アクション振り付け(素材)

本日はアクションの具体的な『手(て:振り付け)』をご紹介いたしましょう。

前回からの流れで言えば、注意していただくところは、やはりカラミ(やられ役)のポジショニングです。初級用と中級用の動画をご用意いたしましたので、その違いをじっくりとご覧になってください。





いかがでしょうか?

中級は初級に比べて『手』も複雑ですが、カラミの出入りも半端ないですね(笑)

よ~く見てみると、シン(主役)の次の攻撃に合わせて、絶妙のタイミングと距離で飛び込んでくるのが判ります。これって、簡単そうに見えますが結構難しいんですよ(笑)

アクションを習いたての人は、ほとんどの場合、飛び込み過ぎてシンにぶつかったり、自分の攻撃をシンに当ててしまったりすることもあります。相手がスターさんなら間違いなくクビですね(笑)

なので、カラミの実力とは、真っ先にこの『間合い取り』の上手さが挙げられるわけです。

こんな風にアクションを眺めてみると、その『手』を付けた殺陣師の意図や演出をより深く理解することができます。それによって得られた感性が、皆さんのアニメーション作成の一助となれば幸いです。

2011年7月18日月曜日

公演のお知らせ

「最近アクター塾の稽古報告が更新されてないんだけど、ちゃんと稽古やってんの?」って思われてる方・・・

すいません、図星です(汗)

実は、私、演劇集団キャラメルボックスの夏公演

降りそそぐ百万粒の雨さえも

の殺陣指導に追われていて
七月のアクター塾の稽古は休みにさせてもらっているのです。

新撰組が舞台のとっても熱い物語ですので
興味をお持ちの方は是非ご覧になってみてください!!





※画像をクリックすると特設ページに移動できます。

2011年7月10日日曜日

全身を導く頭の動き

今回は、運動において『頭部の動き』がどのように作用しているのかをご説明いたしましょう。

以前、腰の話の時に『運動は腰(骨盤)が司っている』と書きましたが、実は、あれでは片手落ちだったのです。『腰と頭の動きが相まって、初めて理想的な運動が体現される』・・・これが正しい説明です。

それでは、実際に動画をご覧いただきましょう。



いかがでしたでしょうか?

最初に出てきた『水平回転に見る頭の動き』は、武道・格闘技に限らず、ダンス・舞踊等の身体運動に於いても極一般的に見られるものです。

その要点は、『身体を捻る際に進行方向を先に見る』というものです。進行方向(武道では標的)を先に見るということは、頭部が最初に回転するということです。まだ骨盤の回転が追いついていないその状態では、背骨に強力な『ねじれ』が生じています。



それを開放することによって(ダンス用語で「リリース」といいます)、ダンスでは切れのあるターンを、武道・格闘技では鋭い突き・蹴りを体現することが可能になるのです。

動画の中の『中国武術の裏拳(掌)』では、身体こそ回転していませんが、先導する頭の回転によって背骨に『ねじれの力』が生み出されているのが判ります。掌が標的に当たった瞬間、頭を振り戻しているのには理由があって(昔のカンフー映画ではよく見られた動きです/笑)、そのまま標的の方に頭を向けていると、ねじれの力が脳にまで達し、脳震盪を引き起こしてしまうのです。そうです、一人パンチドランカーになってしまうのです(笑) また、脳震盪の回避だけではなく、この動作によってねじれの力を全て腕に導くという目的も併せ持っています。


次の『縦方向の頭の動き』は、皆さんにとっては少々馴染の薄いものかもしれませんが、中国武術等、伝統的な武芸にはなくてはならない身体の使い方です。

前回にも書いた事ですが、頭部の重さは成人で体重比の約10%もあります。その重い頭を縦方向に移動させるということは、その『重さ』を利用することに繋がるのです。『重さを使う』と言われてもにわかにはイメージしづらいとは思いますが、一流の運動家ともなれば、ジャンルは違えども必ずこの物理法則を使いこなしているものなのです。

例えば、ボーリングボールを胸に抱えている状態で(この状態では腕と背中の筋力でボールの位置は保持されています)急に腕の力を抜いたとします。当然ボールは落下を始めるわけですが、それでも尚ボールから手を離さずにいると、今度は上体が引っ張られて前につんのめろうとします。この場合、つんのめる不安定な格好悪さを度外視すれば、上体は、かなりのスピードで斜め下に移動したことになりますよね。

これが、重さ利用した運動の基本原理となります。そうして、ボーリングボールに当たる部位が頭だというわけなのです(形も似てますしね/ 笑)

実際には、頭の移動値(距離)は微々たるものですが、それでも、ボーリングボールが数センチ落下する場合の運動エネルギーを思えば、馬鹿にできない力を頭(の移動)から発揮できるものなのです。

動画の『形意拳(劈拳:へきけん)』の説明では『あごを少し上げることで、背中から腕へと勁(ちから)を導く』とありましたが、実際は(よく観察してみると)、鳥が餌をついばむ時に似た細かい『縦回転』の動きをしているのが判ります。それによって(当然頭の重さも使いつつ)、背骨の縦方向への『うねり』を誘発し、その運動エネルギーを掌に伝えているのです。

また、この『縦方向の頭の動き』は古典的な武芸にだけ見られるわけではありません。例えば、野球のピッチングや、打撃系格闘技の『サモアンフック/ ブーメランフック』等にも見られる事象です(これらの運動では、水平方向へのねじれも加わっていますが)

このように、頭の使い方は運動の根幹に関わる事象です。ということは、アニメーションの作成においても同じことが言えるわけですね(笑)

頭の動きを十分に理解され、皆さんが素晴らしいアニメーションをお作りになることを願って止みません!!

2011年7月8日金曜日

頭と腰の関係

今回は頭のお話をしましょう。

運動に於いて『頭(部)の使い方』は腰と同じくらいに重要です。何しろ体重比の約10%の重さを持つ部位ですから、そのポジショニングが悪ければ身体のバランスが崩れるのは当然の事といえましょう。丁度、首の据わっていない幼児のヨチヨチ歩きを思い出していただければ納得されると思います(あれはあれで、実は驚異的なバランス能力を発揮しているのですが・・・)

そう、頭は常に腰とバランスを取りながら、我々の運動を成立させているのです。それは専門的なものに限らず、私達が日常何気なく行っている動作にも観察することができます。

下の写真では椅子から立ち上がる動作を紹介していますが、各場面で、頭と腰が丁度天秤のような釣り合いを見せているのが判るかと思います。









武道のパフォーマンスで『立ち上がろうとする際に額を軽く押さえられるだけで動けなくなる』というものがありますが(※)これは頭のポジショニングの重要性を雄弁に物語っている事象です(動画参照)

(※)あくまで真っ直ぐに立とうとした場合です。
 胴体をうなぎの様によじれば難なく立つことができます(笑)



動画の中で、『頭と腰がバランスを取ることができるのは、一本の背骨でつながっているから』と説明しましたが、(当たり前の事ですが)実は、ここに動きの本質が隠されているのです。

運動の種目に関わらず、洗練された動きというものは、須らく背骨から生まれたものでなくてはなりません(太極拳の口伝には『拳は背骨で打つ』というものがあります!) それは、激しく踊るブレイクダンスにも、静かで優雅な日本舞踊にも等しく言えることです。ただ、その動きを外に出すか出さないかの違いだけなのです。

そうして、ここからが一番重要な事なのですが、背骨の重要性を認識している種目・流派(もしくは個人)には、必ずといってよい程、腰の他に頭のポジショニングに関する教えが存在するものなのです。

何故なら、繰り返しになりますが、頭と腰は一本の背骨でつながっている故に、頭と腰の使い方によって背骨の潜在力を最大限に引き出すことが出来るからです。

これからは、運動を観察される場合も、ご自分の日常の動作を観察される場合も『頭のポジショニング』を意識的にご覧になってはいかがでしょうか?身体運動の極意が垣間見えるかもしれませんので。

次回は、運動における頭部の使い方を、具体例を交えてご説明したします。どうぞお楽しみに!!

2011年7月6日水曜日

ガンガンガンガン!!!!

若い命が真っ赤に燃え~てぇ~~!!(by 佐々木いさお)

・・・というわけで、今日は Gun のお話(笑)

アクションものには欠かせない銃ですが、モーションキャプチャーの撮影も例外ではありません。弊社スタジオでは、用途によって様々なタイプの銃(小道具)をご用意しております。

先ずはリアルなモデルガンから。



どうです~格好いいでしょう?重さといい質感といい、役者さん達がその気になること請け合いです(実はこれ、モーキャプディレクター・初海氏の私物です/ 笑)

ただ、モデルガンでのアクションは非常に危険ですので、銃を持ったまま転がったり、吹っ飛んだり、また、力の弱い女性が持つ時などは下のような手作りの軽い銃を持ちます。



手作りでも、なかなかいい出来でしょ?イブキの小道具班はやる気満々ですからねえ~、ご依頼があれば何でも作っちゃいますよ!!

バズーカ砲だってちょちょいのちょいです(笑)!!

2011年6月29日水曜日

アクション基本技(素材)

今日はアクションにおける基本パターンをお届けします。

注目していただきたいのはカラミ(業界用語で『やられ役』)のポジション取りです。シン(同じく『やっつける役』)の攻撃を受けたことによるリアクションを利用して上手く後ろに下がっています。

しかもそのポジションが、シンの次の攻撃を一番受けやすい場所、言い換えるとシンが次の攻撃を一番出し易い場所になっています。







このようにアクションは、シンとカラミが協力しながら『カメラや観客から見て常にベストのポジションを取り続ける』という、いわばダンスのような間合いの取り方をしているわけです。

なので、格闘技をやっていれば直ぐにアクションに適応できるというわけではありません。この独特の間合い感覚を身に着けてこそ、初めて「アクションが出来る」と言えるわけです。

まあ、CG ではこの辺りの調整はいくらでもできるわけで、最近のモーキャプでは敢えてシンとカラミのポジション離して撮影するという手法もなされています。その方が(相手に怪我をさせる心配もなく)思い切り技を出せるというわけなのですが、やはり上手いアクターさんは、必ずといってよい程、この間合い感覚に優れていらっしゃいます。

皆さんも、今後舞台や映像でアクションをご覧になる時には、是非この間合いの取り方に注目してみてください。きっと、アニメーション作成のヒントが得られると思いますので。

2011年6月26日日曜日

Web殺陣教室・入門編

私が以前主宰していた殺陣教室・玄舟塾(げんしゅうじゅく)で作製した入門ビデオを You Tube にアップしました!!


http://youtu.be/V7Pmm1diu64



http://youtu.be/krq1eVsaskk



http://youtu.be/RuTL1rdfwPU

基本的な所作と構え程度しか解説していませんが、興味がおありの方は是非ご覧ください。

2011年6月23日木曜日

今日の加藤さん

皆さんお仕事ご苦労様です。
加藤さんの笑顔で疲れた頭をリフレッシュさせてください(笑)



それにしても加藤さん、さりげない笑顔とポージングが様になってますねえ。それもそのはず、彼女はモデルもやっているんですよ。

これからも不定期で素敵な写真をアップしていきますので、どうぞお楽しみに(何のブログだ?)

女子の皆さんには『今日の塾長』を準備中ですので・・・
(ウソぴよん!!)

2011年6月21日火曜日

二刀流(素材集)

6月11日の稽古で塾生達に教えた
アクション用二刀流の応用編です。



この動画は随分前に撮ったものですけど、今見返してみると、同じ動きの繰り返しでつまんないですね~(笑)

頑張れ俺!って感じっす。

2011年6月17日金曜日

岩本淳也さん

『アクターさんいらっしゃい!』
三人目は、お約束通り、アクション俳優の岩本淳也さんです。


岩本さんは、『ほぼ活劇座』の称号通り(お前が言ってるだけだ/笑)、活劇座さんと行動を共にされることが多いですが、モーキャプだけに留まらず、映像などでも幅広く活躍されている俳優さんです。

得意分野は中国武術で、第7回上海国際武術博覧会という大会では伝統拳術部門で優勝された程の腕前です。武器の捌きもお達者で、棍(棒)や槍の扱いには惚れ惚れするくらいの美しさをお持ちです。また、ご自身で中国武術パフォーマンスカンパニー『日月堂』を主宰され、後進の指導にも力を注いでいらっしゃいます。

岩本さんの得意分野は中国武術だけに留まりません。プロレス流の動きも大得意で、特にルチャリブレ(メキシカンスタイルのプロレスリング)風の空中殺法の凄さには目を見張るものがあります。それもそのはず、謎の覆面レスラーとしてリングで活躍されているとかいないとか・・・弊社スタッフも時々応援に行くとかいかないとか・・・(謎だけに歯切れが悪いですね/ 笑)

とにかく、何でもこなすオールラウンドプレーヤーとして、モーキャプ業界では引く手あまたの売れっ子さんです。

塾長も一応中国武術は修行してきましたし、プロレスは子供の頃からの大ファンでしたので(岩本さんとは見てた年代が違うけど/ 笑)モーキャプ撮影の合間にはいつもその話題で盛り上がっています。ここに古賀さんが加われば、収集のつかないくらいの大騒ぎになって、しばしば撮影を中断させてしまうほどです(笑) といっても、塾長が一人ではしゃいでいるだけなんですけどね(ダメでしょ!)

古賀さんに岩本さん、これからもクライアントさんから怒られない程度に遊んでくださいね~(笑)!!

古賀 亘 さん

『アクターさんいらっしゃい!』二人目にご登場願うのは、モーキャプ業界でこの方を知らない人はいないんじゃないかという程のご活躍をされている古賀 亘 (こが わたる)さんです。



モーションキャプチャー・アクターとして自ら演技やアクションをこなされる他、株式会社活劇座 の代表取締役としてモーションアクターのコーディネイトとアクションのコーディネイトまでを一手に引き受ける、正にモーションキャプチャーの申し子といえる人です。

古賀さんとは昨年初めてお会いしたのですが、何しろ狭いアクション業界ですから、共通の友人が何人もいたりして(笑)、しかも、古賀さんも中国武術や日本の古武術を修行される本物の武術家でもありますから、塾長とは直ぐに意気投合し、それ以来撮影現場では古くからの友人のように親しくさせていただいています。

私から見た古賀さん(と、そのお仲間達)のお仕事振りは、一言で言って『誠実』そのものです。ディレクターさんの見たい絵を、何とか形にしようといつも工夫を凝らしていらっしゃいます。また、アクションに対する安全策、気配りにも抜かりが無く、本当に安心してお任せすることができます。(時々、私の仕事まで取っちゃいますけどね・・・マット出しとか/ 笑)

そんな古賀さん、関西テレビにて2011年3月31日深夜25:50~26:50に放送された「神話戦士ギガゼウス」に、ゼウス隊隊長・剣剣介(ツルギケンスケ)役で主演され、変身後のスーツアクターもご本人が担当されたとのこと。 DVD を拝見しましたが、シュールな笑い満載で結構面白かったですよ!古賀さんのコミカルな一面が見られて、とても新鮮でした(笑) 皆さんも、機会があったら是非ご覧になってみてください。

明日は、古賀さんの盟友、『ほぼ活劇座(笑)』の岩本淳也さんをご紹介します。どうぞお楽しみに!!

2011年6月14日火曜日

成瀬優子 PV_序

というわけで、成瀬優子の PV_序 です。



名前:成瀬優子(ブログ
身長:157cm
靴のサイズ:23.0cm
好きな男性タレント:井ノ原快彦
一つだけ願いが叶うとしたら:イノッチと友達になりたい



彼女は清田と同じく『演劇集団キャラメルボックス』の俳優教室卒業生で、やはり清田と同じく、卒業後に出演していた舞台を私がたまたま観ていて、そのダンスのキレ・身体のキレに惚れ込んでアクター塾にスカウトしたというわけです。

失礼ながら、俳優教室の殺陣の授業では印象が薄かったんですけどね~(笑)。何しろ、俳優教室に入るまではダンスや殺陣だけではなく、運動と名のつくものはほとんどやったことがなかったと言いますから・・・

そんな彼女が卒業後に急成長できた訳は、もちろん彼女の努力の賜物ではありますが(殺陣やバトンを習ったそうです)、私に言わせれば、彼女の持つ『癖のない身体(骨格)』のお陰だと思っています。

私は、かれこれ二十年以上も俳優や俳優の卵達に殺陣やアクションを教えてきました。その数は、延べで千人はくだらないと思いますが、そんな私でも、彼女ほど癖の無い、素直な骨格を持つ若者を見たことがなかったのです。

身体に癖がないと何故良いのかといいますと、本人が特に意識しなくとも『軸』が綺麗に立つということです。そうです、いわゆる『天性の軸』というやつを備えているのですね、彼女は。



今回は、残念ながら、演技パートを撮影している時間がありませんでした。彼女の演技も、その骨格と同じで、素直で伸び伸びしたものです。次回、稽古に参加したときにはその姿を必ずやアップしますので、どうかお楽しみに!!

2011年6月11日土曜日

稽古報告_110611

梅雨真っ只中の6月11日、久々にアクター塾の稽古が行われました。

参加してくれたのは、お馴染・加藤千尋(ブログ)と清田裕也、それにこのブログ初登場・成瀬優子(ブログ)の三人でした!



うう、ここんとこ毎回マンツーマンだったので
三人も来てくれるなんて嬉しいよう・・・(泣)

というわけで、今回の稽古は『二刀流』にテーマを絞って進められました。

加藤さんは和太鼓をやってましたし、成瀬さんもバトンや殺陣を経験していますので、二人とも武器の扱いには一日の長があります。二人が揃うこともなかなかありませんので、これを機会に一気に上達させてやろうと目論んだわけですね。キックボクシングの経験しかない清田にとっては、基礎をすっ飛ばしていきなりレベルの高いことをやらされて迷惑だったと思いますが、ま、それについてくるのも役者の甲斐性なので手加減はしませんでしたけどね(笑)



三人とも殺陣の実力はまだまだですが、なんか今日の稽古で希望が見えてきた気がします。

それぞれがそれぞれの個性を存分に発揮できる日を夢見て、これからもビシビシしごいていきたいと思います(ウッシッシ)!!