さあ、『腰の三態』の二番手は『立つ腰』です。
この腰の構えは、おそらくダンス等の芸術種目では最も一般的に見られるもので、八頭身のCGキャラクターのほとんどはこの腰を基本ポーズとしているはずです。
それもそのはず、この腰の構えを取る時には背骨がより直線に近づくからです。つまり姿勢が良くなるということですね(笑)
背骨というものは緩やかなS字カーブを描いていることは常識ですが、胸と骨盤の位置をそのままにして仙骨を垂直に立てようとすると、そのカーブは直線に近づこうとするものなのです。MotionBuilder をお使いの方はご承知のことと思いますが、胸と腰(Hip)のリグに PinningT を、頭のリグに PinningR を設定して腰のリグのローテーションをローカル上のz軸で動かすと(胸と腰の位置を動かさず、腰だけを垂直方向に、前後に回転させると)、ある角度で背骨が真っ直ぐに(近く)なることが確認できます。
この事象は生身の身体の中でも起こっていることで、一流のダンサーは、基本の構えを取る時に『頭が天から吊られる』という感覚を覚えるものですが、これは背骨が上方に向かって伸びようとする(真っ直ぐになろうとする)ことから生じたものだったのです。
以前『軸の話』の時にもご説明しましたが、『意識で作った軸』は『実体の背骨』と緊密な連携を取り合っているものです。意識の軸が強くなればなるほど実体の背骨は直線に近づこうとし、実体の背骨が真っ直ぐになればなるほど意識の軸が強化されるという関係が存在します。
なので、この『立つ腰』は『強靭な軸を要する運動(ダンスのターンなどが代表例です)』には必要不可欠な腰構えといえるでしょう。また、少し深い話になりますが、『相手に触れた状態で拳を打つ』中国武術の『寸勁(すんけい)』と呼ばれる技法などは、(流派によって細部は異なりますが)この『背骨が真っ直ぐになろうとする力』を拳に伝えるのが基本原理です。
故に、訓練された武道家やダンサーはみな美しい姿勢をしているものなのです。
しかし、これを一部の身体表現者に独占させておくのもったいないことです。腰のポジションさえ意識できるようになれば、誰だって美しい立ち姿を手に入れることができるのですから・・・
みなさんも、デスクワークで丸まりがちな骨盤をしっかりと立てて、颯爽と街を闊歩してみてくだい!モテ期がくること間違いなしですからっっ(笑)!!
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。