2011年5月22日日曜日

腰の構え_反る腰

『腰の三態』のトップバッターは『反る腰』です。

意外と知られていませんが、この腰は日本の伝統芸能・武道とは切っても切れない縁を持っています。つまり、ほとんどの芸能と武道においては、基本とされている腰の構えなのです。理由は明白です。『畳に直に座る生活様式』がそうさせてきたのです。

ところが寂しいことに、現代になって椅子中心の生活様式が定着してからは、日本人なのにこの『反る腰』が出来る人がほとんどいなくなってしまいました。一番悔しいのは、現在の大相撲において、正しくこの腰の構えを取れるのがモンゴル出身の白鵬だけになってしまったという事実です。『反る腰』こそが相撲の基本であるはずなのに、日本人力士が一人もこの腰を体現できないというのは本当に情けないことです。

このように、日本の身体文化はもはや風前の灯火です・・・どうか皆さんのお力で!CGの力で!!もう一度強い日本を復活させていただきたいのですっっっ!!んがぁ~~!!!

あ、すいません。つい熱く語ってしまいました(笑)

それでは、気を取り直して動画をご覧いただきましょう。



いかがでしたでしょうか?

動画の中で、私が『相手の押しを受けながら優雅に(?)読書をしている』場面が出てきましたが、あれは決してやらせではありません(イヤ、ホント)。

この腰の構えは骨盤の中の深層筋(インナーマッスル)を発動させる一種のスイッチみたいなものなのです。骨盤内の深層筋はとても強靭なものです。人一人の押しなどは、それのみで平気で受けられるほどです。そうすると上半身の筋肉には余裕が生まれてきます。武道や格闘技においては、腰で相手の圧力を受けつつ上半身で自在な反撃をする・・・といった理想の在り方が可能になるのです。

またこの腰は、特に前方に強い圧力をかけることを得意としていますので、レスリングや陸上の短距離走、各種格闘技の強い選手の殆どがこの『反る腰』をしているといえるでしょう。

というわけで、日本の伝統性ばかりを強調してきましたが、実は洋の東西を問わずアスリートに用いられている腰の構えだったのです。

しかし、残念なことに、CGのキャラクターでこの『反る腰』をしているのは、大抵が巨漢のゴリラみたいなキャラばかりです(笑)イケメンの八頭身キャラがこの腰の構えをしてくれたなら、子供達への日本文化の継承にとても貢献できると思うのですが・・・

それが無理なら、それが無理なら・・・せめて相撲モーションだけは『反る腰』でお願いしますうぅぅぅ~~(笑)!!

注)
動画の中でお見せした『相手の押しを反る腰で受ける』というパフォーマンスを真似されるのはもう少々お待ちください。硬いままの腰でこの運動をした場合、腰椎を激しく傷める虞がありますので・・・。このシリーズの後半で『腰の三態の養成法』をご紹介しますので、それまでは『骨盤体操』で骨盤周辺を十分に柔らかくしておいてください。

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