2011年5月21日土曜日

殺陣の動線(素材集)

『モーション素材集』

今日は殺陣における最も基本的な動線をご紹介します。

動線(どうせん)というのは舞台の用語で、呼んで字のごとく、役者達が移動する道筋の事を指します。舞台では、映像のカメラのように、観客の視点を自在に動かすことなどできませんから、役者の動線によって状況を説明したり、迫力を演出したりする必要があるのです。

最初にご紹介するのは、対峙する二人が同じ距離を保ちながら円を描くというものです。この動線によって「隙あらば踏みこむぞ!」的な緊迫感を演出することができます。映像やCGなら、役者は動かさずに、カメラをグルングルン動かすところでしょうけれど(笑)



次にご紹介するのは、シン(※)を取り囲んだカラミ(※)が互いに交差するように移動する、業界では『シャッター』と呼ばれる動線です。

(※)
シン(芯:殺陣の用語で主役のこと)
カラミ(絡み:同じくやられ役のこと)



これだけをご覧になってもピンとこないでしょうが、舞台上でバラバラとシンを取り囲んだカラミの幾人かが、ふっとこのシャッターを切ることによって、間が崩れ、場に変化が起こり、これから起こるであろう大乱闘への期待が煽られるというわけです。

ちなみに、私がモーキャプに関わってからというもの、収録の現場でシャッターをやったり見たりした経験は一つもありません。CGでは、何十人(時には何百人)もの雑魚兵が一度に躍りかかるのが普通ですからねえ・・・無理もありません(笑)。

しかし、このような緩急の付け方を学ぶことは、CGアーティストにとっても決して無駄ではないと思うのです。

お時間がありましたら、是非、舞台に足を運んでみてください!

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