2011年10月17日月曜日

稽古報告_111008

あいや~!レポートが一週間も遅れてすいません!!

去る10月8日(土)、清田裕也・成瀬優子の二名を参加者に、アクター塾の稽古が行われました。

今回塾長が選んだテーマは『間合い感覚』。
そう、「あいつは間が悪いんだよな~」の『間合い』です(笑)

殺陣やアクションを演ずるに当たって、最も重要なものは間合い感覚だと塾長は思っています。そもそも、決められた振り付けがある『お芝居』なのですから、そこから外れるようでは、芝居が成立しないどころか相手に怪我をさせてしまうかもしれないからです。

なので、武道やアクションにおいても、その間合い感覚を養成するための稽古方法が必ず用意されているものです。いわゆる『約束組み手』というやつです。決められた、しかも単純な攻防の型を、二人組み(もしくは複数名)になって練習するものです。これを一通りこなせれば、ほとんどの人はその種目(流派)における間合いを身に着けることができるようになっています。

ところが、中には一筋縄ではいかない人もいて(笑)、これが指導する立場の者を悩ませるわけです。

「ここに止まってくれ」と言っても突っ込み過ぎてぶつかりそうになったり、「腕にパンチをくれ」と言っても顔面にパンチをよこしたり・・・(苦笑) 当人はいたって真面目なのに身体が思うように動いてくれないようなのです。

長い間俳優養成所などで指導してきた経験から、私は、「このような人達にとって、約束組み手で要求される間合いは大雑把過ぎるのだ」ということに気づかされました。

こういった人達には、もっと細かい、緻密な間合いを提供してあげなければならないのだと・・・

そこで思いついたのが、アクションの時間に太極拳の練習方法『推手(すいしゅ)』を導入することでした。

(↓ )推手の一例です。



ご覧の通り、推手は常に触れ合っていなければなりません。これは太極拳の独特な間合い(超接近戦)から必然的に生まれた攻防の練習方法なのですが、この『必ず触れていなければならない』という縛りが、練習者の間合い感覚を短期間で成長させてくれるのです。

例えば、『離れた間合いから打ち出されたパンチを上段受けで受ける』といったシチュエーションの場合、受ける側も攻撃する側も、意識すべき接点は互いの前腕が交差する一点のみです。

ところが、必ず触れていなければならないという制約の中では、接点は(丁寧にやればやるほど)アナログ的に無限に存在することになるのです。丁度CGアニメーションの編集で、身体に触れながら手を移動させるのが(女性キャラがボディラインをなぞる時など)えらい難儀なのと一緒です(笑)

意識すべき点、制御すべき身体のパーツが、一点で触れている時とは比べものにならないくらい増えるからです。

というわけで、塾長がこの方法を採用してからというもの、生徒さん達の間合い対する理解が格段に早くなったような気がします(特に、運動経験のあまりない女性の皆さんの)

それから私は、殺陣の剣捌きにも、何でもかんでも推手を応用するようになってしまいました(笑)



(アクターさんの)皆さんも是非、ご自身の練習に取り入れてみてはいかがでしょうか?

決まりなんてありません!途切れのない、流れるような動きであれば全てOKです!!後は、できるだけゆっくりと丁寧に行っていただければ、成果はみるみる上がることと思いますので。

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