2011年4月22日金曜日

アクション講座_軸の話_2

さて、本日はお約束通り『身体を離れた軸』のお話をしましょう。

先ずは下の動画をご覧ください。

動画のタイトルにもあるように、演じている私は、自分の身体の前面に強く『軸』を意識しています。



いかがでしたでしょうか?

動画から読み取ることは難しかったでしょうが、技をかけられている男性(運動部員Y : 好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』)は、最初かなりの力で私を押していました。私はその押しに耐えつつ、私から見て左側に反転をして彼の右腕を掴みにいきます。

このように、前方からの強い圧力に耐えながら、しかも別の運動に移行するといった場合、武道では身体を貫く体軸の他に下の写真の様に身体の前面に軸を一本立てる(強くイメージする)ことを定石とします。



青いラインが体軸、赤いラインが『正面の軸』です。

正面の軸を作る利点とは、先ず本来持っている体軸(青いライン)が強化されるということです。意識(イメージ)と身体は密接に繋がっています。体軸を意識することは、漠然と運動するよりも、身体内の筋肉を遥かに多く動員することができます。「使われる筋肉の量は一緒じゃないの?」と思われるかもしれませんが、意識を使うことによって、普段は使われないまま眠っている深層の筋肉達が活動を始めるのです。そう、今スポーツシーンで盛んに言われている『インナーマッスル』達のことです。

古来から東洋では、このインナーマッスルを使った動きを最上としてきました。そうして、それらを活性化するための方法論として呼吸法やそれを伴う型等が開発されてきました。が、その中でも一番重視されてきたことは、直接筋肉を意識するのではなく、ある『形』を意識(イメージ)して身体をそれに従わせるというものでした。(下腹の中に球状の形を意識する『丹田(たんでん)』等もその一つです)

そうなんです、意識と深層筋というものは、実は双子の兄弟のような関係だったのです。(特に中国武術の世界では、このイメージを伴った強い意識の在り方を『意念(いねん)』と呼んで概念化しています)

なのでこの場合、青い体軸に赤い正面の軸を加えることによって身体内の深層筋がより多く動員され、結果、前方に向かう力がより強化されるというわけなのです。


もう一つの利点は、正面の軸がそのまま後半に行われる反転動作の回転軸になるという点です。

この回転軸を意識していないと、相手に押されたり自分が突っ込み過ぎたりして、スムーズな反転動作ができなくなってしまいます。逆に意識できていると、脚の方が勝手に的確なステップを踏んでくれるものなのです。

これは丁度、皆さんが『手付け』でアニメーションを付ける際に、綺麗な反転動作をキャラクターにさせようとしてコンストレインを組むことと似ていますよね(笑)。


このように軸は身体に沿ったものばかりとは限りません。しかも、運動の種目や、同じ技でもそれを行う個人の個性によってその在り方は千変万化であるはずです。ただ言えることは、意識的にしろ無意識的にしろ、軸を使いこなす者こそがその分野の第一人者になれるということです。

これから運動(モーション)を観察される際には、この様な視点を是非併せ持っていただけたらと思います。


参考文献『究極の身体』高岡英夫著,講談社

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。